黒魔術

統計の取り方で違ってくるのだろうが、アメリカの軍事力は、世界全体の軍事力のほぼ半分だそうだ。これは、世界中を敵に回しても、アメリカは互角に戦えるということだ。
ブッシュが大統領になってから、アメリカの一国支配主義(unilateralism)ということがよく言われるようになった。京都議定書から離脱したり、ABM制限条約を破棄したり、ブッシュ政権のなんとも自分勝手なやりように対して「一国支配主義」という言葉が充てられているのだが、unilateralismを辞書で引いてみると「一方的軍縮主義」という訳語が出てくる。
もちろんブッシュ政権は、アメリカの軍事費を削減し、一方的に軍縮をしようなどとは考えていない。それどころか、弱者を切り捨ててでも軍備増強をすべく画策している。
軍事費に関して、反ブッシュを掲げる多くの民主党候補者も、実はブッシュよりだ。メディアからはイラク攻撃反対の急先鋒とされているハワード・ディーン前バーモント州知事でさえ、国防省の予算削減には反対だ。
このことについて、クシニッチ氏は次のように言っている。
「私は、軍事費を増加させながら、なおかつ国内の中間層と低所得層(労働者階級)に関する政治的課題を解決できるという他の民主党員に同意しません。そんなことは不可能です。それは黒魔術的予算編成です。」
悪魔に魂を売った候補者は誰なのか、しっかり見ていきたい。
(written by Kuma)