ドン・キホーテ

デニス・クシニッチ下院議員が大統領選に出馬表明をした当初は、ほとんどメディアから相手にされなかった。
企業献金を一切断って、上限2000ドルの個人献金だけで大統領選挙を戦おうというクシニッチ氏には、初めから勝ち目がないか、あるいは勝つ気が無いとでも判断したのだろうか?
従来の物差しで選挙戦を捉えれば、メディア戦略に十分耐え得る資金力が勝負を分けるということになるのだろうが、そのメディアへの信頼は、イラク攻撃によって決定的な打撃を受けた。少なくとも日ごろ慣れ親しんでいるTV局の報道の中立性が失われたということをアメリカ国民も十分理解したはずだ。
勝敗を分けるのは、あるいは放映権料の多寡ではないかもしれない。

ところで、スペインのラ・マンチャ地方ドン・キホーテゆかりの地で、ドン・キホーテが泊まった宿屋とか、ドン・キホーテの愛したドゥルシネア姫の家とか、架空の話なのに、なぜかそういうものが、平原の中に点在する村々のあちこちにある。
ドン・キホーテは、人々に愛されているのだ。
デニス・クシニッチ氏は、意地悪なメディアから見ればただのドン・キホーテかもしれない。
だから親しみを込めた支持を集めているのだと思う。
(written by Kuma)